外野飛球のメカニクス講座~クロックワイズ(時計回り)パターンについて~
まずは、呼び名にもなっているクロックワイズ(時計回り)パターンについてです。
打球を外野に追いかけた審判を除いた審判が、時計回りに動くことになります。
前回お話した通り、外野飛球のメカニクスは27+2パターンあります。
このうち、クロックワイズ(時計回り)に動くのは、3パターンです。
パターンの種類からみれば、
「クロックワイズ(時計回り)の動きの方が例外ではないのか?!」
と思われるかもしれませんが、使う機会は多い動きとなります。
全てのイニングは0アウトランナーなしから始まりますからね。(タイブレークは例外)
クロックワイズ(時計回り)パターンは、自分が主として担当している塁とは別の塁を見るのが大きな特徴です。
それぞれの具体的な動きを紹介いたします。

用語説明:
“プレイに備える”
打球および送球の行方を確認し、走者の行動を観察しながら塁上でのプレイに備えること。
“プレイが一段落するまで”
打球が処理され、野手から内野方向に返球されるまでをいう。
クロックワイズ(時計回り)パターン3パターンの紹介
《ランナー無しの場面・・・2パターン》
【左翼手から右翼手までの打球を二塁塁審が追った場合】

球審 3塁での“プレイに備える”。
一審 打者走者の1塁触塁を確認し、打者走者が2塁に到達するまでは、その場に留まる。
打者走者が3塁に向かい、球審が3塁へ移動したら(本塁へ移動し)本塁での“プレイに備える”。
二審 打球を追い、その行方を確認・判定後、“プレイが一段落するまで”その場に留まる。
三審 2塁ベース内野内に移動し、2塁での“プレイに備える”。
【Point】
他にランナーがいないので、打者走者の動きに従って動くことになりますが、三塁塁審は、いち早く2塁へ向かう必要があります。
【左翼手よりライン寄りの打球を三塁塁審が追った場合】

球審 3塁での“プレイに備える”。
一審 打者走者の1塁触塁を確認し、打者走者が2塁に到達するまでは、その場に留まる。
打者走者が3塁に向かい、球審が3塁へ移動したら本塁での“プレイに備える”。
二審 2塁での“プレイに備える”。
三審 打球を追い、その行方を確認・判定後、“プレイが一段落するまで”その場に留まる。
【Point】
他にランナーがいないので、打者走者の動きに従って動くことになります。二塁塁審のみ自分の担当する塁を見ることになります。
《ランナー1塁の場面・・・1パターン》
【中堅手より左側の打球を三塁塁審が追った場合】

球審 3塁での“プレイに備える”。
一審 1塁走者のタッグアップおよび打者走者の1塁触塁を確認し、1塁での“プレイに備える”。
1塁走者が3塁に向かい、球審が3塁へ移動したら本塁へ向かう。
二審 1・2塁間に移動して、1塁走者の2塁触塁を確認し、1・2塁での“ プレイに備える”。
三審 打球を追い、その行方を確認・判定後、“プレイが一段落するまで”その場に留まる。
【Point】
1塁ランナーがいますので、球審は、打球があがったら、3塁へ動くことになります。
一塁塁審が本塁へ動いたら、1・2塁の判定は二塁塁審が行うことになります。
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