一流の練習方法④ ~未来を読む~
一流の練習方法、最後は “未来を読む” です。
相手の“気配”をより強く感じる力
これが見聞色の覇気!!
これを高めれば視界に入らない敵の位置
その数・・・更には、次の瞬間に相手が何をしようとしているかを読み取れる。
シルバーズ・レイリー(冥王レイリー)元ロジャー海賊団副船長
出典:『ワンピース』尾田栄一郎より
ワンピースでは、“見聞色の覇気”と呼ばれています。
お父さんお母さんには、こちらでしょうか?
このように一流は“未来を読む”能力があります。
「一流(漫画)だからでしょ!」と思っているかもしれませんが、
そもそもこの能力は、誰でも持っていて使っています。
つまり。あなたも持っている訳です。
そして、訓練によって伸ばすことができます。
【チェスプレイヤーでの実験】
チェスの超一流とアマチュア。この差は一体何なのかを調べる様々な実験を行いました。
チェスとは判りやすく言えば、西洋の将棋です。

ある局面から、次の1手のバリエーションについてや、その中からどのような理由で最適な一手を選択したのか等を調べた所、超一流と素人上級者には、なんら違いは見つかりませんでした。
差がついたのはこの実験です。
実際にあった対局途中の盤面を再現し、この盤面を5秒間見せ、駒の配置をどれだけ覚えているかをテストしました。
超一流は、5秒見ただけで、各駒の配置を2/3覚えていましたが、アマチュアは、4つぐらいの駒の位置しか覚えていませんでした。
これにより超一流は、常に盤面全体を見ていることが判ります。
では、超一流は“記憶力がケタ違いに良い”ということなのか?
次に行われた実験を紹介します。
実際の対局ではありえないデタラメな箇所に駒をおいて、先程と同じ記憶テストをしました。
アマチュアの正解率は変りませんでしたが、超一流の正解率はアマチュアと変らなくなりました。
次に実際の対局途中を再現した盤面を作った後、駒をランダムに入替を行いました。
盤面に置かれている位置は、対局と同じですが、駒の種類が違う状態です。
このテストにおいても、アマチュアと超一流の正解率は(悪い方で)変りませんでしたが、
超一流の方が成績が悪いケースが何度かあったそうです。
超一流は、「混乱した」「理屈にあわないよ」と感想を言っていたようです。
つまり、超一流は、盤面上の駒の位置を写真を撮ったかのように記憶していた訳ではなく、置いてある駒の中から、ポイントとなる駒を抽出し、その駒を中心に実際のストーリー(対局)を作ることで、盤面に置いてある他の駒を覚えていたということのようです。
【遮蔽(しゃへい)実験】
様々なスポーツ(球技)のプレイのある一部分を写真及び動画で見せ、次にどのような展開になるか予測してもらいました。
【バスケットボールのフリースロー】

バスケットのフリースローを打っている選手の選手動きだけのビデオを見せ、この選手のフリースローが成功したか、失敗したかを当てるテストを実施。
一流選手の正解率は、95%を越えています。
同じような実験をサッカー、テニス、バレーボールで実施しました。
どれも、一流選手は、普通の選手に比べかなり高い正解率という結果がでました。

サッカーの超一流ディフェンダーでの実験では、1人の選手の位置とボールの扱いを見ただけで、
敵味方計22名のその時の位置と動きを当てたそうです。
このように、
フィールド全体を見渡せることができる。
相手のわずかな動きから、次に起こるべき動き(展開)を察知できる
一流選手はこれができているということです。
【あなたも持っている! 簡単な実験】
冒頭でも書きましたが、この能力は、元々誰もが持っている能力です。
(“悪魔の実”を食べなくても、仮面をかぶり機体を赤く塗装しなくても大丈夫です。/ 笑 )
では、簡単な実験をしてみましょう。
以下の文を読んでみましょう。
みもスがンのはセく。
スムーズに読めましたか?
では、先程の文を並び替えただけですか、これはどうですか?
センスはみがくもの。
すごく読みやすいですよね。
このように私達は、次に来る文字(文章の流れ)を予測して、文を読んでいる訳です。
なぜこれができるのかと言うと・・・・
今まで日本語を読んできた “経験” 。
経験という蓄積されたデータベースの中から、文章の流れを検索。
これが瞬時にできるので、スムーズに読める訳です。
“本を読みなさい”といわれるのは、
知識を得る為ではあるのですが、日本語という競技の未来を読むトレーニングをしているってことですね。
チェスの超一流が5秒盤面をみただけで、盤面のほとんどを再現できた理由が判るかと思います。
このように “未来を読む” 能力は誰もが持っており、訓練をすることで伸ばせることが判るよね。
(長くなりました。次回へ続きます)
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