一流の練習方法 ~たくさん練習する~ ~孤独な練習~
今回は、
“たくさん練習する”
“孤独な練習”
を紹介します。
参考文献:
『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン、ロバート・プール、土方 奈美(翻訳) 文藝春秋
『勝てる脳、負ける脳 ~一流アスリートの脳内で起きていること~ 』 内田 暁、小林 耕太 集英社
『天才! 成功する人々の法則』マルコム・グラッドウェル 勝間 和代 (翻訳) 講談社
『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? ─アスリートの科学』デイヴィッド エプスタイン、 福 典之 (監修)、川又 政治 (翻訳) 早川書房
『才能の正体』 坪田信貴 幻冬舎
一流の練習方法① ~たくさん練習をする~

安西先生「シュート2万本です」
桜木花道「2万で足りるのか?」
神奈川県立 湘北高等学校 バスケットボール監督 安西光義
神奈川県立 湘北高等学校 バスケットボール選手 桜木花道
出典:『スラムダンク』井上雄彦より

「お・・・おれたちみたいに素質も才能もないものは、こうやるしかないんだ」
墨谷二中 野球部主将 谷口タカオ
出典:『キャプテン』ちばあきお
【ベルリン芸術大学でのバイオリニストの調査】
世界でもトップレベルの音楽学校と言われるベルリン芸術大学での調査です。
この大学には世界中から“上手い”“天才”“神童”と言われる音楽家の卵達が集まります。
いくら“上手い”といっても、集まれば、高いレベルでの優劣が生じます。
調査では、バイオリン学科の学生を能力レベルによってA、B、Cにグループ分けをします。
A:国際的なコンクールで優勝したり、ソリストや世界一流のオーケストラ奏者として活躍できるレベル。
B:国際的なコンクールで入賞したり、トップではないけれどオーケストラ奏者として生活できるレベル。
C:学校の音楽の先生や市民楽団の奏者になれるレベル。(これでも立派なレベルですけど・・・)
それぞれの練習時間や練習内容、意識について調べ、それぞれ決定的な違いがあるのかどうかを調べたそうです。
・バイオリンを始めた時期
・プロを意識し始めた時期
・1週間の練習時間
においては、A、B、Cとも、それほどの違いはないそうです。
そこで、入学以前の練習時間について調べてみました。
《大学入学までの練習時間》
A 7,410時間
B 5,301時間
C 3,420時間
ABCで明確な違いのひとつが練習量です。
この調査は、アンダース・エリクソンら(『超一流になるのは才能か努力か?』の作者)が行った調査です。
これを元にマルコム・グラッドウェルが天才と言われる起業家やスポーツマン、何かで頂点を極めた者の共通点を調べあげ、著書『天才! 成功する人々の法則』にて、
特定の分野で世界的な一流になりたいのであれば、それには1万時間の練習や実践が必要だ
と提唱し“1万時間の法則”と呼ばれています。
当然、人によって達成時間は違うのですが、武道や茶道、華道、料理等を究めるため(所謂“修行”)には「10年で一人前」という言葉があります。
1日3時間の練習で10年間でちょうど1万時間です。なんか理に適っていますね。
一流の練習方法② ~孤独な練習~
アンダース・エリクソンの調査結果に対し、マルコム・グラッドウェルが唱えた“1万時間の法則”。
この法則は、アンダース・エリクソン自らによって、時間だけではないことを補足しています。
【続:ベルリン芸術大学でのバイオリニストの調査】

先程のバイリニストの調査の続きです。
A、B、Cの3グループとも、1週間の練習時間は51時間で同じでした。
しかし、AとBは、そのうち24時間は、1人きりでやる練習でした。
Cは9時間だったそうです。
AとBの全ての対象者はこの1人きりでやる練習に対し
「この練習はつまらないし、つらい。一番嫌だ」
と同じ感想を述べていたそうです。
バイオリンで生活をしている人は「つまらない。つらい。一番嫌だ。」と言われる練習をあえて時間をとってまでしている。
つまり、1人の練習が大事だと判っているのでやっている訳です。
1人で行う練習ですので、自分でプログラムを組まなければなりません。
その影響なのでしょう、A→B→Cの順で自分の1週間の練習内容を克明に覚えていました。
自分で考えて自主トレしていますか?
一流との差は、自分1人でいかに努力をするかですよ。
もうひとつ違いがありました。
A、BグループとCグループ。1週間の睡眠時間を比較すると、A、Bグループの睡眠時間の方が5時間長かったそうです。
睡眠時間は大事ですね。
https://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20190219-OHT1T50182.html
【中日】寝る子は育つ!? 根尾が明かした夜の睡眠時間は?
2019/2/19 スポーツ報知

キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ
じゃが、逆もまた然り
毎日の積み重ねがキサマらを弱くする
漫然と日々を過ごすなっ
四六時中ボクサーであることを自覚しろっ
自分に足りないモノ
必要なモノを常に考えて行動せよ
これからの戦いは
そうでなければ勝ち抜けんっ
鴨川源二 鴨川ボクシングジム会長 出典:『はじめの一歩』森川ジョージ
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