身長を伸ばす栄養素④ ~骨を固めるのはカルシウム~

カルシウムは骨の70%を占めていますが、カルシウム自体に骨を伸ばす作用はありません。
骨を伸ばす作用は、軟骨部分(コラーゲン)です
しかし、伸びた軟骨部分を固めないと、軟骨部分は伸びていきません。
軟骨部分が伸びる → 伸びた分をカルシウムで固める → そこを土台として軟骨部分が伸びる
この繰り返しが、“身長が伸びる”です。
食品などから摂ったカルシウムは、胃酸で溶かされ、小腸にて吸収され、血液に入りすぐに使う分だけ残して、
骨に吸収されます。

カルシウム
元素記号:Ca
【成長成分以外の効果】
下記【1%の働きに記載】

【必要摂取量】
厚生労働省発表の「食事摂取基準2015」には、
12歳~14歳は1日850mg(推奨1000mg)
15歳~17歳は1日650mg(推奨 800mg)
※推奨は、ほとんどの人が必要量を満たす量。
【1%の働き】
カルシウムの99%は骨や歯に残りの1%は血液、リンパ液、細胞にあります。
この1%のカルシウムが生命の維持や活動に重要な役割を果たしています。
・ 体内のイオンバランスを正常に維持する
・ 体内の浸透圧を一定に保つ
・ 筋肉の収縮に不可欠
→心臓を動かすのに必要(心臓も筋肉です)
・ 造血に作用にその濃度を一定に保つ
・ 血液凝固のコントロールをする
・ 細胞のDNAに作用して、その分裂に必須
【骨はカルシウムの貯蔵庫】
血液中のカルシウム量は常に一定で厳密に管理されています。
足らなくなれば、骨から溶け出し一定をキープします。
骨は体を支えているだけではなく、カルシウムの貯蔵庫の役割をしています。
つまり、骨が伸びることは、この貯蔵庫も増えるということだね。
【吸収しづらい栄養素です】
カルシウムは吸収しづらい栄養素です。(ミネラル全体に言えることですが・・・)
一番吸収率の高い牛乳で40%、小魚33%、野菜類は19%です。
カルシウムを摂るときは、カルシウムの吸収を助けてくれる
ビタミンD、マグネシウムを一緒に摂りましょう。
【“日本人はカルシウムが足りない”その理由】
日本人はカルシウムが足りないといわれています。
では、欧米人はどのようにカルシウムをとっているかというと、水から摂っています。
日本のほとんどの水は軟水です。軟水と硬水の違いは、水に含まれているミネラル成分の差で、カルシウム、マグネシウムの含有量で軟水と硬水とに分けられます。
日本の水は、欧米の半分程度のカルシウムと言われております。
その為、その水で育つ野菜もカルシウムの量が少なくなくなっています。
【運動は骨を強くする】
骨は刺激(負荷)を与えられることによって強度をあげようとします。
その為、ジャンプなどの運動を行うと、着地の際に骨に大きな負荷がかかり、それに耐えるために骨は強くなるそうです。
ちょうど、先回紹介した“鉄”とあわせて言えば
運動(特にジャンプ)を行うと、骨は強くなるが、鉄は失われる。
【サプリでカルシウムを摂る場合】
サプリメントのカルシウムのほとんどが、貝殻、卵殻を原料としています。
このカルシウムは、炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムは、胃液が少ない人には吸収があまりよくありません。
日本人は胃液が少ない人が多いそうです。
また、炭酸カルシウムは、化学式でいうとCaCo3とカルシウム1に対して、炭素が1、酸素が3です。
つまり、炭酸カルシウムのサプリメントの場合、カルシウムの全体に対する割合は1/4ということです。
サプリでカルシウムを摂る場合は、この点を認識してください。
尚、サプリを含め。カルシウムを摂る前にかんきつ類を摂ると、かんきつ類に含まれるクエン酸が、胃の消化酵素の働きを助けてくれます。
(カルシウムだけでなく、全ての食品に有効です)
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