身長を伸ばす栄養素③ ~案外盲点な鉄~
コラーゲン=たんぱく質+ビタミンC+鉄
です。鉄はコラーゲンを作る助けをする栄養素です。
背が伸びない理由の隠れた原因が鉄分不足だそうで、
鉄欠乏貧血(下記)ということで、貧血治療の為、病院で鉄剤を処方された中学生が、
貧血が治るのと同時に背が伸び始めた実例はたくさんあるようです。

鉄
元素記号:Fe
【その他の効果】
・血液(ヘモグロビン)を作る。(むしろこちらがメイン)
→鉄分はからだの中に約3gあるといわれています。
そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。
【必要摂取基準】
12~14歳 8.5mg(推奨:11.5mg)
15~17歳 8.0mg(推奨: 9.5mg)
耐用上限量 50mg/日。
※推奨は、ほとんどの人が必要量を満たす量。

【鉄は2種類ある~ヘム鉄と非ヘム鉄~】
ヘム鉄
動物性たんぱく質(肉・魚)に含まれる鉄分です。非ヘム鉄に比べ体内へ吸収されやすい性質があります。(体内吸収率10~20%)
非ヘム鉄
植物性たんぱく質に含まれる鉄分です。体内への吸収率は2~5%です。
【貧血について】
貧血とは、全身に酸素が不足することで発生します。普通に呼吸をしているのに、酸素が足りなくなるのは、ヘモグロビンの不足によるものです。
酸素を荷物、ヘモグロビンをトラックに例えると判りやすいかと思います。
荷物は普通にあるのに、それを運ぶトラックがなければ、荷物は目的地まで届きません。
なので、全身の酸素不足となります。この状態が貧血状態です。
具体的には、めまいや頭痛、息切れ、疲れやすくなったりします。
貧血の90%が鉄欠乏性貧血で、鉄分不足が原因です。
【それは単なるスナミナ不足?】
スタミナ不足(体力不足)と思っていても、実は鉄不足の可能性もあります。(理由は上記“貧血”と同じ)
鉄が不足している状態でトレーニング・運動をするのは、酸欠状態で体を動かすことと同じです。、
【意外とスポーツ選手に多い貧血】
2009年の国民体育大会の強化指定選手である中学生・高校生・成人170名の血液を検査した結果、25.3%が鉄欠乏性貧血という結果がでました。
【さらに成長期、鉄は不足しがち】
スポーツ選手で成長期真っ只中の君達には、より一層鉄分が必要なのは、判るでしょう。
体が大きくなるということは、それだけ血管が増え、血液も必要になる訳です。
生命維持が最優先ですので、鉄は優先的にヘモグロビンの産生に使われます。
なので、コラーゲンの生成まで鉄が回らない状態となり、結果として、身長の伸びなくなります。
【これも知っておいて欲しい:溶血性貧血】
溶血性貧血とは、ヘモグロビンが物理的に破壊されたことが原因で起きる貧血のことです。
特に足裏に衝撃がかかると、破壊される可能性があります。
陸上選手、跳躍を繰り返すバレーボール選手、バスケットボール選手、裸足で強く踏む剣道・空手選手に多いのですが、
野球で言えば、スパイクが原因です。(金属金具の場合は特に)
スパイクの中敷がボロボロになっていませんか?
ボロボロの中敷では、衝撃を吸収できませんよ。
【不足すると爪に現れます】
爪が平たくなる。スプーン爪になる。爪が欠けやすい・割れやすい
これらは、鉄不足が原因の症状と言われています。
【氷をバリバリ食べたくなるのは要注意!!】
無性に氷が食べたくなる氷食症。
はっきりとした原因は定かではありませんが、血液検査を行うと大抵の人が鉄が欠乏しているそうです。
【鉄を摂りすぎると】
人間には余った鉄を排出する機能がありません。
鉄は錆(さ)びます。体の中で錆びると、活性酸素を発生させます。
また、鉄だけを大量に摂取すると、亜鉛や銅の吸収が妨げられてしまいます。
基本、食事で摂る分には、摂りすぎることはありません。
サプリメントの場合は注意が必要です。
【鉄は吸収しづらい栄養素】
鉄は吸収しづらい栄養素です。上記ヘム鉄でも、最大で摂取した量の20%しか吸収されません。
体内の吸収率を上げるのは、たんぱく質、ビタミンC
また、牛乳に含まれるCPP(カゼインホスホペプタイド)も吸収率を上げますが、カルシウムは、鉄の吸収率を下げてしまいます。
お茶に含まれるタンニン、コーヒーに含まれるカフェインは、鉄の吸収を妨げるそうです。
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