身長を伸ばす栄養素② ~体の人気者ビタミンC~

骨を伸ばすのは、軟骨成分であるコラーゲン。
このコラーゲンの材料のひとつが、ビタミンCです。
つまり・・・
コラーゲン = たんぱく質+ビタミンC+鉄
ということです。
だったら、コラーゲンを直接摂った方がよいのでは?
と思ってしまいそうですが、コラーゲンを直接食べてもコラーゲンにはなりません。
体内でアミノ酸に分解されてしまいます。分解後コラーゲンに戻る保証はありません。
また、ビタミンCは、成長成分である鉄・亜鉛の吸収を助けます。
一緒に摂りましょう。

ビタミンC
別名:アスコルビン酸
成長成分以外の効果:
・抗酸化作用
・ステロイドホルモン生成をサポート(副腎にて)
・紫外線の害を防ぐ効果(つまり美白効果)
【人はビタミンCが自分で作れない】
自分で作れないから“ビタミン”という分類になるのですが、
実は、哺乳類のほとんどが、ビタミンCを体内で合成することができます。
人やモルモット等の一部の哺乳類は、ビタミンCを合成できません。
(なので実験動物としてモルモットが使われるのですね)
食事でしか摂る方法がありません。
【必要摂取量】
厚生労働省発表の「食事摂取基準2015」には、
12歳~14歳は1日80mg(推奨95mg)
15歳~17歳は1日85mg(推奨100mg)
※推奨は、ほとんどの人が必要量を満たす量。

【ビタミンCは人気者】
ビタミンCは各臓器に作用しますので、人気者です。
特にビタミンCを大量に必要とするところは4つです。
副腎、免疫細胞、眼、脳
まずは、こちらから優先的に送られます。
なので、コラーゲンになるのは、たくさん摂取が必要です。
【ビタミンCは吸収率が高い】
ビタミンCは、食事からのビタミンC吸収率は約90%と高く、体内に吸収されやすいです。
但し、サプリメントの合成ビタミンCは吸収率が50%程です。
【ビタミンCは失いやすい】
実験では、ビタミンCを5g(上記推奨基準の5倍)を血液摂取した人の血液中のビタミンC濃度を調べました。
結果、摂取後上昇した濃度は、4時間で元に戻ったそうです。
つまり、一度にたくさん摂るのはなく、2時間~3時間おきに摂る必要があります。
【ビタミンCは水・熱に弱い】
ビタミンCは水溶性のビタミンですので、水に溶けやすく、加熱に弱い性質があります。
その為、生食が可能なものは、生で食べるのがおすすめです。
但し、ジャガイモやサツマイモはビタミンCがでんぷんで保護されていますので、加熱でも大丈夫です。
【ビタミンC不足は死を招く“壊血病”】
ポルトガルの探検家 バスコ・ダ・ガマ。
彼は、南アフリカの喜望峰を発見し、喜望峰からインドへ至る航路を発見した人物として、
歴史の教科書に載っています。
しかし、その発見に至るまでは、非常に過酷な旅でした。、
出発時180人いた船の乗組員が、ポルトガルへ帰ってきた際には、55名になっていたそうです。
亡くなられた乗組員のうち、100名は壊血病という病で失ったそうです。
壊血病の原因はビタミンC不足(というか枯渇)ですが、この時代栄養学はありませんでした。
その為、長年この壊血病は不治の病でした。
【人工合成のビタミンCは酸化防止剤として使用されています】
人工合成のビタミンC(L-アスコルビン酸)は酸化防止剤として使用されています(所謂添加物ですね)
ペットボトルのお茶に入っています。お茶は元々賞味期限が短い飲み物です。
なので、変色防止、保存が利くように合成ビタミンCが使用されています。
(良いか悪いかは別として)それだけ抗酸化の力があるということですね
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