身長を伸ばす栄養素① ~なにがなんでもたんぱく質~

たんぱく質は、三大栄養素のところで少し紹介しております。
アスリートの為の栄養学④ ~三大栄養素 (たんぱく質)~
http://alltoyokawaboys.blog.fc2.com/blog-entry-135.html
こちらも併せてお読みください。
【骨を伸ばすのは、たんぱく質】
先回、骨の成分について紹介しましたが、

出典:ネスレ ヘルシーキッズ プログラム
https://www.ugoku-taberu.com/learning/bone/nutrition.html
このうち、骨を伸ばす働きがあるのが、軟骨成分である コラーゲンです。
コラーゲンの原料は、アミノ酸。アミノ酸は、たんぱく質が体内で分解されて作られます。
また・・・・
成長ホルモンは、191のアミノ酸から作られています。
従って、成長ホルモンの材料もたんぱく質です。
前に紹介しました“昼のホルモン”「セロトニン」はトリプトファンを材料に作られます。
トリプトファンは、たんぱく質に含まれています。
(必須アミノ酸です。)
背が伸びるということは、骨が伸びること。
骨が伸びるとは、伸びた分の皮膚や筋肉、血管も伸びなければいけません。
これらの材料もたんぱく質です。
なので、なにがなんでもたんぱく質なのです。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、
一日あたりのタンパク質平均必要量は成人男性で50g、成人女性で40gと定義されています。
可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。
しかし、成長期の子どもなどでは必要な摂取量が異なります。
厚生労働省発表の「食事摂取基準2015」におきましても、
12歳~14歳は1日60g
15歳~17歳は1日65g
の摂取を推奨しています。
15~17歳の1日あたりの推奨たんぱく質量65gは、全年齢層の中で最大の数値です。
いかに成長期にたんぱく質を摂ることが大事か判るでしょう。
しかし、専門家の間では、成長期においてこの数字は低いとの声も上がっております。
特にアスリートの場合は、成長の為には勿論、運動の為にもたんぱく質が必要です。
ちなみに・・・
実際にオリンピック選手の1日のたんぱく質摂取について調べてみた所、
体重1kgに対し2gのタンパク質を摂取しているそうです。
体重60kgの場合、たんぱく質120g
ここまでとは言いませんが、“体重1kgにつき、タンパク質1.5g/日”は目指しましょう。
【たんぱく質にはスコア(点数)がある】
以前たんぱく質を紹介した際に、たんぱく質20種類のうち、9種類は、
体内で作ることができない為、食事で摂取しないといけない(必須アミノ酸)と紹介しました。

必須アミノ酸は、様々な食品に含まれていますが、どの種類のアミノ酸が
どのくらいの量、含まれているかは、食品によって違います。
9種類の必須アミノ酸のうち、ひとつでも必要量に満たないものがあると、
たんぱく質は、最も少ないアミノ酸に合った量しかできず、ほかのアミノ酸は
一部が無駄になってしまいます。
この仕組みを「桶(おけ)の理論」と言います。
ヒトが1日で必要される必須アミノ酸量をそれぞれ算出し、それが全てその量に満たされているかを
スコアで表しています。
このスコアも、食品業界でいろいろな思惑があるらしく、数種類あります(大人の世界ね)
プロテインスコア、アミノ酸スコア、たん白質消化吸収率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)
が代表的です。
アミノ酸スコア100の食品
豚肉、牛肉、鶏肉、アジ、鮭、カツオ、牛乳、鳥卵、ヨーグルト、大豆(豆腐、豆乳、)
【合わせでもOK】
スコアは、全て食品単独で付けられています。
たんぱく質を食べると、体の中で分解されアミノ酸になる訳ですので、
合わせ技を使うことができます。

例えば、白米。アミノ酸スコアは、65です。
足らないアミノ酸はリジンです。
大豆のアミノ酸スコアは100ですが、リジンは100を上回っています。
なので、ご飯とみそ汁、ご飯と納豆の組み合わせで、アミノ酸スコアは100となります。
昔の日本人の食事は理に適っていたのですね。
【たんぱく質はストックできない】
体の中にたんぱく質を貯蔵する場所はありません。
その為、毎日摂取する必要があります。
「昨日、焼肉食べすぎたから、今日はサラダで・・・はダメです」
【ささくれはタンパク質不足のサイン!?】

今、爪をみてください。“ささくれ”はありますか?
ささくれは、手が乾燥していると起きやすいのですが、
みずみずしい肌を持つ君たち(勿論、お母さん達もですよ/笑)の場合、
たんぱく質が足りていないことが原因の場合が多いです。
【摂りすぎると】
一度にたくさんのたんぱく質を摂取すると、大半が尿として流れてしまいます。
この際に一緒にカルシウムも流れ出てしまいます。
それを上回る摂取量ですと、たんぱく質を中性脂肪に変えストックします。
中性脂肪になってしまうと、もうたんぱく質には戻らなくなります。
基本的に、食事でたんぱく質を摂っている場合は、摂り過ぎることはない
と言われています。しかし、食事+プロテインを摂取している場合は、
過剰になる可能性があります。
最近のプロテインは、体への吸収が良くなっていますから、特に注意が必要です。
焼肉をたくさん食べた日は、プロテインの摂取を控える等、バランスを考えましょう。
【一緒に摂ろう ビタミンC、ビタミンB6、炭水化物】
体内に入ったたんぱく質は、余すことなく消化・吸収されます。
但し、体内で一度分解されて、再合成され吸収されますので、消化~吸収に時間がかかります。
焼肉をたくさん食べて、胃もたれけしたり、プロテインを飲んで、腹に貯まっている感覚がするのは、これが原因です。
さて、たんぱく質と一緒に摂った方が良い栄養素は、ビタミンC、ビタミンB6、炭水化物です
ビタミンCは、コラーゲンを作る材料のひとつとして。ビタミンB6は、たんぱく質が分解された後、再合成を促す働きがあります。
意外なところで、炭水化物です。ほぼエネルギーとして使用される炭水化物ですが、これが足りないと、生きていくために、
たんぱく質をエネルギーとして使用します。たんぱく質には、身長を伸ばしてもらう仕事をして欲しい訳ですので、
炭水化物の摂取は必要となります。
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